SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

EnterpriseZine Day 2024 Summer

2024年6月25日(火)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

生成AIの企業活用

マイクロソフト西脇氏が語る、ChatGPT企業活用の切り札「Bing Chat Enterprise」とは?

日本マイクロソフト 西脇資哲氏インタビュー

 ChatGPTは便利だが、セキュリティやプライバシーの課題がある。これに対する解決策として「Bing Chat Enterprise」が注目されている。「Bing Chat Enterprise」は、ChatGPTに企業データ保護の機能を追加し、BingのAIチャットを業務に利用できるようにしたツールだ。認証にはAzure Active Directoryを用いることができ、職場アカウントのアクセスのみを許可するよう運用できる。より早く生成AIに取り組むべき状況の中、企業はどのように取り組めば良いか? 前回のMicrosoft 365 Copilotに続き、日本マイクロソフトの西脇資哲氏に解説してもらった。

企業が安心してChatGPTを使うためのBing Chat Enterprise

 前回、生成AIの登場で個人の業務がどのように変化、進化するかを、Microsoft 365 Copilotの活用を例に日本マイクロソフト 業務執行役員 エバンジェリストの西脇資哲氏に解説してもらった。今後、自ら望まなくても生成AI技術が生活にもビジネスの中にも入ってくる。その際により早くから生成AIを使いこなそうとする人とそうでない人との間には、既に大きな差が出始めているとの指摘があった。より早く生成AIに取り組むべき状況の中、企業はどのように取り組めば良いかを再び西脇氏に訊いた。

 OpenAIが開発、提供しているChatGPTは、アカウントを登録すればWebブラウザー経由ですぐに利用できるサービスだ。ブラウザを使ってチャット形式で質問すれば、人と会話をするように極めてなめらかな文章で回答を返す。生成AIのメリットをすぐに享受できるChatGPTだが、使い込んで行くとさまざまな課題も見えてくる。たとえば情報漏洩などのセキュリティにかかわる課題、プライバシーや著作権の課題、差別などの倫理面での課題、AIが生成した結果の悪用可能性の課題などがある。

 「開発途中のプロジェクトの機密情報をChatGPTに渡し、何らかアドバイスを得ようとするかもしれません。他にもセミナーの受講リストと既存顧客のリストをChatGPTに投げ、自動でマッチングするよう指示するかもしれません」と西脇氏。このように業務で生成AIを使おうとすると、生成AIとのやり取りの中で機密情報が漏洩する懸念が出る。これでは業務で安心して使えない。

 一方でChatGPTの機能をエンタープライズ向けにした「Bing Chat Enterprise」なら、「質問するデータが外部に漏れ出ることはなく、マイクロソフトも質問内容を監視していません」と言う。Bing Chat Enterpriseは、ChatGPTに企業データ保護の機能を追加し、BingのAIチャットを業務に利用できるようにしたツールだ。認証にはAzure Active Directoryを用いることができ、職場アカウントのアクセスのみを許可するよう運用できる。

 Bing Chat Enterpriseを使えば、従業員がコンテンツの生成、データの分析や比較、ドキュメントの要約や新しいスキルの習得、コードの記述などを迅速に行うのをサポートする。もちろん質問データがLLMの学習に使われることもない。チャットのデータは転送中に暗号化され、履歴機能は提供されておらずチャットのデータは保持しない。チャットのデータには、マイクロソフトも一切アクセスできないのだ。

 Bing Chat Enterpriseなら、企業も安心して生成AIに質問を投げかけられる。Bing Chat Enterpriseで利用できるLLMのモデルはGPT 3.5、4.0で、Microsoft Officeのライセンスがあれば無償で利用できる。このように企業が安心して生成AIを利用する際の、1つ目の安心できる入り口がBing Chat Enterpriseとなる。実際、高いレベルのセキュリティ性が求められる企業も、これには関心を示しており導入している、導入意向を示している企業が多数ある。

次のページ
企業内知識を学習するAzure OpenAI Service

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
生成AIの企業活用連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/18504 2023/10/13 09:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

2024年6月25日(火)オンライン開催

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング